真面目に練習しているのに、なかなか本番で力を出せない子がいます。
私の生徒にもそんな子がいます。
この場合3つの問題が考えられると思います。
・音楽との日常的な付き合い方
・本番に対する心の準備、目的意識の持ち方
・本番に向けた練習プロセスの順序
生徒のレベルに対して曲が難しすぎるとか、準備期間が足りなかったという単純な問題もあるでしょう。
でも、ほんのちょっと考え方を変えるだけでそんな問題はいくらでも飛び越えていけると思うのです。
そして日頃の音楽との付き合い方、練習の仕方、マインドの持ち方次第で、
成長スピード自体をを上げられるものです。
だから同じ難易度の曲でも少ない時間で仕上げることができるはずです。
人間の可能性は無限大です。
指導者側も「もっとこうすればいいのに!!」とは思っているけど、
忙しい生徒や保護者に対して普段はなかなか踏み込めない。
だから本番での失敗経験は、「これまでのやり方」を見直す絶好の機会なのです。
そんな人を救うべく「コンクールで頭ひとつ抜けるための方法」について、数回に分けて考えていこうと思います!
というわけで、今日は「音楽との日常的な付き合い方」について簡単にお話しします。
これ、コンクールに出ずともピアノを習う方皆にやってほしいことです。
なぜなら、これによって上達のスピードと楽しさがグッと上がるから。
よろしければ読んでみてくださいね。
◆「いい演奏」の解像度を上げる
これ、何より大事です。
どうやったら「良い演奏」の解像度が上がるのかというと、
それはたくさん「聴く」こと!!
本番で結果を出したければ当然「良い演奏」を目指すのですが、
ところであなたは
「良い演奏」
って何だと思いますか???
この「良い演奏」の意味するものが、一般の人と専門家の間に
びっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっくりするくらい
ギャップがあるんです。
もう本当に、こんなにも深い溝が・・・と絶望します。
一般の人には、
間違えずに楽譜通り弾いた演奏と、よく考えられ練られた演奏の区別がつかない。
要はアバウトなのです。
それが悪いと言ってるわけじゃありません。
一般の人なんだから当たり前です。
私だって金物職人さんの腕の良し悪しとか、別のジャンルになったら全く何も知らない素人ですから人のことは言えません。
だからこそ、特定の専門分野を極める際には楽しく&謙虚に知ろうとすること、
先人の意見を聞くことが大切です。
自分が思っていることと差がある、と知っているだけでも違うと思います。
「ゴールがはっきりしていないのに目的地に辿り着くことはできない」のです。
じゃあ、ゴールを明確に知るためにどうすればいいの?
そ、こ、で、普段からどう音楽と向き合っているかがモノを言います。
要は「聴く」習慣なのです!!!
「質のいいアウトプット(=演奏)のためには、まずインプットから」
ということ。
つまりたくさん「聴く」ことが大切なのです。
赤ちゃんは大人の話す言葉をたくさん聞くから、自分も言葉を話せるようになりますよね。
音楽も同じ。
「音楽的な」発音や抑揚の付け方をたくさん聴いて知っているほど、細かい差を聴き分ける審美眼(審美耳?)が身につきます。
これすごく当たり前のことですよね。
なのに「ピアノを習う」っていうと弾くこと一辺倒になりがちで、
みんな全然音楽を聴いてない。
名曲を例に出しても「なにそれ?」な人がとっても多い。
だからこそ、この習慣をつけるだけで頭ひとつ抜けられます。
それもゴリゴリ練習ばかりじゃなく、ながら聴きするだけでイイので
むしろ楽ちんに上達するわけです。
たくさんの生演奏を聴くこと、
いろんなジャンルの音楽を聴くこと、
ピアノだけじゃなくオーケストラの音色の違いにも耳を傾けること。
そうすることで趣味が養われます。
「この曲より、こっちの方が好きだな」
「この演奏の方がワクワクする」
「あそこのグロッケンの音がキラキラしてキレイ!ピアノでも出せるかな」
など、素朴な感想から始まって、
好きになった曲について調べたり本や音楽雑誌を読むことで
「どんな演奏に対してどんな言葉が使われるか」
という土地勘が育っていきます。
これはレッスンを受ける時にも、アドバイスの吸収率をグッとあげてくれると思います。
ぜひ普段から音楽を聴く習慣を生活に取り入れてみてください。
今回はこの辺で。
次回以降もマインド面や、具体的に聴いてほしい演奏など紹介していけたらと思います!