旅行ブログに戻ります。
イサム・ノグチ美術館を後にして、電車を乗り継ぎ再び高松駅に戻ります。
(この間に仕事関係の提出物に不足があるとメールが来て申し訳ない気持ちになり、
しばし現実に引き戻されます。)
高松駅から高松港はすぐそこです。
駅のすぐそばに海があるなんて、ヴェネチアとまではいいませんが
なんと旅情のあることでしょう。
こちらのフェリーに乗って憧れの直島に向かいます。
フェリーは広くてきれいで快適です。
制服を来た少年少女の姿も見られ、島からの通学に使っている様子でした。
乗船して一息ついていると、なんとまた別件で仕事の不備に関する連絡がありました。
旅を120%満喫するために、誰にも迷惑をかけまいと準備してきたつもりだったのに・・・
一気に自己不信に陥ります。
でも私は、何といっても、
瀬戸内の海の上に浮かんでいるのです。
上越に帰るまではどうすることもできないし、どうにもならない程の失敗ではないし、
それ以上考えることはやめようと決めました。
50分ほど船に乗りやっと辿り着きました、10年思い続けた直島です。
直島の玄関である宮浦港では、有名な赤かぼちゃ(草間弥生の)が
お出迎えしてくれます。
既にバスの出る時間だったので、遠くから撮影。
車なら5〜10前後でどこへでも行けてしまうくらいの小さな島です。
歩いても30分くらいで横断できてしまうのですが、時間の限られた旅行者にはバスやレンタサイクルが必要です。
バスに揺られて本日宿泊予定の民宿がある「本村」に到着します。
ここ本村は島民が生活しているエリアだそうで、
昔ながらの趣ある家々が立ち並びます。
民宿の、私が泊まったお部屋です。
たまたまチェックインの時に他の旅行者(同じくらいの年齢と思われる
女性)と一緒になったので、一緒に設備の説明など受けました。
「個人情報なんて気にしない!」と言わんばかりのおおらかさを感じます。
お風呂、トイレ、リビングは共用です。
宿のお兄さんが「自転車はあった方がいいですよ」と近くのレンタサイクル屋さんを2つ紹介してくれたので、早速近そうな方に行ってみることに。
グーグルマップを見つめながら辿り着いたお店は・・・
「closed」。
時刻は17時、ガイドマップには「18時半閉店」と書いてあるお店です。
不信に思いもう1つのお店にも電話しますが、嫌な予感は当たり
こちらも繋がりません。
そういえばバスで旅行者と乗り合わせたきり、いくら町を歩いても
一人の島民にも出くわしません。
本当に人が住んでいるのだろうか、という程の静けさです。
やっとある家の車庫の中におじさんの姿を見つけたと思ったら、
目が合った瞬間ガラガラとシャッターを閉められました。
たまたま閉めるタイミングだっただけなのだろうけど、疲れや不安が手伝って一方的に
疎外感を受けます。
「現代アートなんて言って勝手にどんどん余所者がやってきて、経済的には潤ったとしても
昔からこの土地で生活している人にとっては迷惑な存在でしかないよなぁ・・・」と
心の中で勝手に呟いてしんみりします。
そうこうしているうちに日は暮れて、肌寒さが増します。
ここはひとまず宿に帰って、夕食のためにお店を予約しよう!と、
おいしそうなお店を探し電話するも「今日やってないんですよ」と答えが。
これ、完全に来る時期を間違えましたね。
一気に暗雲が立ち込めます。